21世紀を目前にして、我が国では急速な少子高齢化の進展や核家族、高齢者単身世帯の増加等により、寝たきりや痴呆の高齢者を家族だけで介護することは困難となってきています。このような状況の中、本年4月より実施された介護保険制度は、国民の共同連帯の理念に基づき、要介護高齢者等を社会全体で支え、保健・医療・福祉それぞれの分野で行われていた介護サービスを総合的・一体的に提供し、広く民間サービス事業者にも門戸を開くなど、新しい仕組みとしてスタートしたところであります。
本市には、約340法人が介護保険事業に参入しておりますが、従来の福祉による「措置」から利用者自らがサービスの選択をする「契約」へと制度が変わった中で、我々介護サービスの提供を第一線で担うサービス事業者あるいは居宅介護支援事業者は、市民から最も期待されている「介護サービスの質の向上」を図る重要な責務があります。サービスの質の確保を図るには、人材の育成等必要な研修や情報収集、情報交換、情報提供などを当然進めなければなりませんが、一事業者や同種事業者だけで進めていくのは困難です。
そのため、我々は、利用者の期待と自らの責務にこたえるため、福岡市と一体となって、利用者本 位に基づいた質の高い介護サービスの提供や各事業者間の情報のやり取りの効率化を目指したネットワーク構築が急務と考え、全事業者を対象とした「福岡市介護保険事業者協議会」の設立を発起する運びとなりました。
市民の信頼や期待に十分応え得る質の高い公正・公平で適切な介護サービスを提供すること。これが、我々の責務であり、介護保険本来の目標とすべきものです。このため、本協議会が、利用者の自立支援・利用者本位のサービス提供につながるカンフル剤の役割を果たし、安心して暮らせる福祉のまちづくりの根幹となることを切に願って止みません。
「福岡市介護保険事業者協議会」は、行政との連携をより一層密にし、介護サービス水準の向上に努めて参りますので、設立趣意を、ご理解いただき、幅広い介護サービス関係事業者のご加入を心からお願い申し上げます。
平成12年11月吉日
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